米国で図書館カードを投票者IDに認定(続)

前回の記事では、テネシー州のメンフィス(Memphis)市では、201211月に行われた米国大統領選挙の際に、図書館カードも有効なIDのひとつとして受け付けられたことをお知らせしました。しかし、それから約11ヵ月後、図書館カードは有効なIDとは認められなくなってしまいました。

テネシー州では2011年に「投票者ID法」(Tennessee Voter Identification Act)が制定され、選挙人は投票時に写真付きIDの提示を求められるようになった。これに対応してメンフィス(Memphis)市は、運転免許証など公的機関が発行したIDを持っていない市民のために、新しくデザインされた写真付き図書館カードを、本人確認のIDとして認めるよう訴えを起こした。州最高裁判所は2012年11月、メンフィス市を含むシェルビー郡の有権者に限り、これを認めるという判断を下し、大統領選挙では図書館カードが使われたのであるが、これを不満とするテネシー州議会は2013年4月、「投票者ID法」の改定案を可決した。その結果、投票時に認められるのは、米国パスポート、米国ミリタリーID、テネシー州運転免許証、テネシー州保安局(Department of Safety)発行IDなど、連邦政府、テネシー州政府とテネシー州の公立大学が発行する写真付きIDのみとなり、市や郡が発行する、図書館カードなどすべてのIDや、テネシー州以外の州が発行するIDは排除されてしまった。

「投票者ID法」改定案が可決された半年後の2013年10月17日、“誰もがDepartment of Motor Vehicles(車両管理局)で写真付きIDを無料で入手出来る以上、IDが無いことを理由に投票が妨げられることはない”として、州最高裁判所は「投票者ID法」を合憲とする判決を下した。メンフィス市の代理弁護人は、現段階ではこれ以上の法的な異議申し立てを行う計画はないが、今後挑戦する可能性は否定しないと述べている。

Secretary Hargett Announces Changes to Photo ID Law http://tnsos.org/Press/story.php?item=513

Voter ID bill delayed butMemphislibrary photo IDs rejected/Commercial Appeal Mar 7, ‘13 http://m.commercialappeal.com/news/2013/mar/07/voter-id-bill-delayed-but-memphis-library-photo/

Tennessee Supreme Court: Library Photo ID Can’t Be Used for Voting/ Lib. J Oct 24, 2013 http://lj.libraryjournal.com/2013/10/litigation/tennessee-supreme-court-library-photo-id-cant-be-used-for-voting/