米国の電子書籍リーダー/タブレット状況

米国では、2011年のクリスマスに電子書籍リーダーやタブレットをギフトに選んだ人が多く、今や米国人6名のうち1名が電子書籍リーダーかタブレットを所有していることが、Pew Research Centerの調査によって明らかになりました。今回発表された調査結果には、読書習慣や電子書籍に関する図書館との関係についての分析は含まれておらず、それらは今後の分析を待つことになります。Harris Interactive社も同様の調査を行い、その結果を2011年9月に発表していますが、それには読書冊数と書籍購入数、読書習慣の変化の数値も含まれています。タブレット利用者の満足度調査の結果も併せて紹介します。なお、調査会社Forrester Researchの概算によれば、電子書籍リーダー/タブレットの販売数は、Kindle Fire($199)とBarnes & Noble社のNook Tablet ($249)が2011年11月の販売開始後、それぞれ500万台と200万台、iPad($500~$830)が2011年に4,000万台となっています。

1. Pew Research Centerによる調査報告(2012年1月23日発表)

米国の非営利調査機関Pew Research Centerは、米国ではタブレットや電子書籍リーダーを所有する人々の割合が、クリスマスの贈答期間中に急増したとの調査結果を発表した。2011年12月中旬から翌1月初めにかけて、タブレットや電子書籍リーダーを所有する人の割合は、どちらも10%から19%へと倍増し、今や成人の29%がタブレットか電子書籍リーダーを少なくとも1台所有している。この調査期間中にタブレットや電子書籍リーダーの所有数が増加したのは、AmazonのKindle FireやBarnes and NobleのNook Tabletなどが価格を下げ、$100以下の製品もあったことが一因と考えられる。

タブレットの所有率が高いのは、年齢別では30~49歳(27%)と18~29歳(24%)で、男女別の差はない。収入別で見ると、収入が多いほどタブレットの所有率も高く、家族の年収が$75,000(575万円)以上は36%、$50,000(380万円)~$74,999は20%、$30,000(230万円)~$49,999は16%、$30,000(230万円)未満ではわずか8%である。電子書籍リーダーの所有率は、年齢別ではタブレットと異なり、30~49歳(24%)と50~64歳(19%)、18~29歳(18%)の順で、年齢による差はタブレットよりも小さい。また、女性(21%)の方が男性(16%)よりも高い。収入別では、家族の年収が$75,000以上は31%、$50,000~$74,999と$30,000~$49,999は19%、$30,000未満は8%である。

表1:年齢別所有率

年齢

18~29歳

30~49歳

50~64歳

65歳以上

タブレット

24%

27%

15%

7%

電子書籍リーダー

18%

24%

19%

12%

表2:年収別所有率

年収

$30,000未満

$30,00- 49,999

$50,000- 74,999

$75,000以上

タブレット

8%

16%

20%

36%

電子書籍リーダー

8%

19%

19%

31%

(表1 & 2:Pew Research Centerのレポートから作成)

2. Harris Interactive社による調査報告(2011年9月19日発表)

市場調査会社のHarris Interactive社によれば、調査を行った2011年7月の時点で、既に米国人の15%がタブレットか電子書籍リーダーを所有しており(2010年8月の調査では8%)、非所有者の15%は6ヶ月以内に入手するだろうと答えている。これらを合わせると28%となり、Pew Research Centerの調査結果と極めて近い数字になる。

2.1 読書冊数と書籍購入数

読書冊数や書籍購入数は、電子書籍リーダー所有者の方が多いとの結果がでている。年間11~20冊の本を読む人が米国全体では16%、21冊以上読む人が20%であるのに対し、電子書籍リーダー所有者では、年間11~20冊が32%、21冊以上は27%とはるかに多い。書籍購入数も、米国全体では年間11~20冊が10%、21冊以上が9%だが、電子書籍リーダー所有者は、それぞれ17%である。

                           3:年間読書冊(タイトル)

年間読書冊(タイトル)

0

110

1120

21~

米国全体

15%

49%

16%

20%

電子書籍リーダー所有者

8%

39%

32%

27%

                             4:書籍購入(タイトル)

年間購入冊(タイトル)

0

110

1120

21

米国全体

32%

49%

10%

9%

電子書籍リーダー所有者

6%

60%

17%

17%

原注:四捨五入のため合計は必ずしも100%ではない。

(3 & 4Harris Interactive社のレポートから作成)

 2.2 読書習慣の変化

6ヶ月前と比較して読書数に変化があったか、との質問に対しては、米国全体でも電子書籍リーダー所有者でも「変わりなし」の答えが半数を占めた。しかし、「減った」と答えた人は、電子書籍リーダー非所有者では24%なのに対し、電子書籍リーダー所有者はわずか8%であった。逆に、「増えた」と答えた電子書籍リーダー所有者は36%、非所有者は16%で、電子書籍リーダーの購入が読書数の増加にある程度貢献したことが示された。

 3. 所有者の満足度調査(2012年2月2日発表)

 調査会社Changewave Researchが行った、タブレット利用者の満足度調査によれば、「非常に満足」と答えた所有者の割合は、iPadが74%、Kindle Fire(2011年11月中旬新発売)が54%、その他のタブレットが49%である。

タブレット機種

iPad

Kindle Fire

その他

非常に満足

74%

54%

49%

Kindle Fire以外は201111月の調査)

この調査では、Kindle Fire所有者に、Kindle Fireの何が好きかを尋ねているが、答えは価格(59%)、カラー・スクリーン(31%)、使い易さ(27%)の順である。逆に嫌いな点は、ボリュームボタンが無いこと(27%)、カメラが無いこと(21%)、バッテリー駆動時間の短さなどである。

Tablet and E-book reader Ownership Nearly Double Over the Holiday Gift-Giving Period http://www.pewinternet.org/~/media//Files/Reports/2012/Pew_Tablets%20and%20e-readers%20double%201.23.2012.pdf

One in Six Americans Now Use E-Reader with One in Six Likely to Purchase in Next Six Months http://www.harrisinteractive.com/vault/HI-Harris-Poll-eReader-2011-09-19.pdf

ChangeWave Survey Shows Momentum for Amazon Going Forward http://www.changewaveresearch.com/articles/2012/amazon_20120202.html