カテゴリー別アーカイブ: 公共図書館

米国の公共図書館で除籍をめぐって紛糾

図書館では所蔵資料の除籍は、魅力的なコレクションを利用者に提供するために必要不可欠な業務のひとつとされ、各図書館はそれぞれのポリシーや基準に従って、定期的に除籍を実施しています。しかし米国では、何故図書を捨てる必要があるのかを理解してもらえず、利用者から厳しい批判を受けることがあります。19801990年代に20万冊を超える図書を除籍したとして、作家のNicholson Bakerに糾弾され*、悪評を被ったSan Francisco Public Libraryの例が有名ですが、最近も、米国の図書館で除籍をめぐる問題が続けて起こり、図書館長が更迭されるケースまで登場しました。                                                             続きを読む 米国の公共図書館で除籍をめぐって紛糾

英国公共図書館閉鎖の危機

英国では近年公共図書館の閉鎖が続き、図書館界の大きな問題となっています(当サイト記事「フィリップ ・プルマン氏が図書館の閉鎖に反対」-2011年11月22日-参照)。失われた公共図書館の数は2012年だけでも200分館にのぼります。2013年には新たに300の分館が閉鎖されるのではないかと言われていますが、予測についてはさまざまな説があります。図書館員だけではなく、著名な作家たちも閉鎖に反対の声を挙げていますが、楽観できない状況のようです。 続きを読む 英国公共図書館閉鎖の危機

米国公共図書館の睡眠禁止規則

アイオワ州Iowa Cityの図書館理事会(Board of Trustees)が、図書館内での睡眠禁止を、2013年1月に決定しました。日本にも千代田区立図書館のように、居眠り禁止を館則に明記している図書館はありますが、米国では、睡眠を明確に禁止している図書館は少数派とは言え、珍しくはありません。しかし、米国図書館協会(American Library Association, ALA)はこの件に関する調査はしておらず、その数は不明です。図書館で眠る利用者に対しては、他の利用者からの批判もあり、公共図書館の職員を悩ます重大な問題のひとつとなっています。禁止すべきかどうか、居眠り程度でも禁止すべきか、などをめぐって対立する意見があり、対応方法も図書館によりさまざまに異なります。 続きを読む 米国公共図書館の睡眠禁止規則

貸出資料延滞への対策

日本では貸出資料の返却が遅れた場合に延滞金を徴収する図書館は、極めて少数ですが、米国や英国では多くの図書館が延滞金制度を採用しています。強引に取り立てる図書館もあれば、延滞金の代わりにコミュニティ・サービスを課したり、延滞者に対する恩赦措置を施したりする図書館もあり、その方法は一様ではありません。延滞金制度に疑問をもち、廃止する図書館も出てきています。しかし、延滞金に関する全体的な統計は米国にも英国にも見当たらず、延滞金制度を採用している図書館の数すら不明です。英国では、2005年にSCONUL(Society of College, National and University)メンバー図書館を対象とした調査が行われましたが、回答した1/3の図書館のうち96%が、延滞金制度があると答えています。 続きを読む 貸出資料延滞への対策

米国で図書館カードを投票者IDに認定

日本の選挙では有権者全員に投票所入場券が送られ、たとえ入場券が届かなかったり、紛失した場合でも、本人確認ができれば投票することができます。しかし、米国では、投票するためには前以て登録が必要です。そして、選挙投票の際にIDの提示を求める法律、「投票者ID法」(Voter ID Law)を制定している州が、未実施の州を含めて33州あります(source: National Conference of State Legislatures)。一口に「投票者ID法」といっても内容は州によって異なり、写真つきIDを要求する州、写真なしIDでよい州、厳格にIDを要求する州、それほど厳格ではない州に分かれます。一般的にIDとして認定されるのは、運転免許証、軍身分証明書、身分証明書(発行しない州もある)、パスポート、学生証ですが、メンフィス(Memphis)市では、2012116日に行われた米国大統領選挙の投票時に、図書館カードも有効なIDと認められたことが話題を呼びました。 続きを読む 米国で図書館カードを投票者IDに認定